今回は、高松市でアスパラガスをメインに栽培する「株式会社のぐふぁ~む」野口さんのもとで研修を受けさせていただきました。冬から春にかけてはブロッコリーや赤カブ・白カブ、菜花などの露地野菜を栽培しています。朝7時に農場へ到着すると、まずは産直への納品に同行しました。売り場には他農家のブロッコリーも並んでいましたが、野口さんは小房に分けて袋詰めすることでひと手間加えた差別化を行っていました。価格競争に巻き込まれる前に“売り方”で勝負するという姿勢は、産直出荷の大切なポイントだと学びました。
納品から戻るとすぐにブロッコリーの収穫に向かいました。朝露で濡れるためビニール手袋とカッパが必須で、収穫は鋸鎌を使って行います。周りの葉を上から押さえつけて折り、鎌の柄に引かれた線に合わせて長さを確認しながら余分な茎をカットし、カゴに入れていきます。収穫適期かどうかは手持ちの輪っかで判断しますが、熟練者になると見ただけで規格が分かるとのこと。社員の長町さん、研修生の桐本さんと3人で作業しましたが、そのスピードに圧倒されました。1時間に8カゴで一人前、野口さんは12カゴとることもあると聞き、農業におけるスピードの重要性を改めて実感しました。
年末ということもあり、休みに備えて大量のブロッコリーを収穫しましたが、野菜は年末年始でも待ってくれないという当たり前の現実も肌で感じました。
赤カブは「モモノスケ」という品種で、外皮をむくと内側は桃のような淡い色合い。甘みがあり生食でもおいしいためサラダにオススメです。カブ自体は手で簡単に抜けますが、一つひとつが重く、カゴを運ぶのがなかなかの重労働でした。収穫後は葉を落とし、洗浄機に通して袋詰めを行います。
今回の研修で特に印象に残ったのは、野口さんの徹底した食品安全への取り組みです。農薬は鍵付きの棚に整理して保管し、収穫用手袋と防除・除草用手袋を完全に使い分け、動噴も農薬用と潅水用とを分け、泥のついた収穫カゴと軽トラックは毎日綺麗に洗浄、農薬使用量の記録も徹底していました。農機具を洗う洗剤はあえて香り付きのものを使用し、香りが残っていなければ洗浄完了のサインにするという工夫もありました。
これらはGAPに基づく取り組みで、人の口に入るものを作っているという意識を常に持ち、いつでも安全な農畜産物を生産、出荷できる体制をとっている野口さんの責任感は、これから農業をするにあたって見習わなければと思いました。また、野口さんは基本的に現場に出ず、従業員とのコミュニケーションを密にとることで圃場管理を行っています。現場に出ると作物の生育状況や圃場の細かい部分が気になり、従業員に必要以上に指示をしたくなってしまうためあえて距離を置いているそうで、農業愛の強さと経営者としての配慮を感じました。
野口さんのもとでの研修は、作業だけでなく「自分で考え、段取りし、責任を持って動く」という姿勢を求められる場だと思いました。厳しさもありますが、独立した際には必ず役に立つ経験になるでしょう。最後に、野口さんから「若手農業者や新規就農者の相談はいつでも受け付ける」という心強い言葉をいただきました。小さな疑問にも丁寧に答えてくださる方なので、アスパラガスや露地野菜に興味がある方にはぜひ訪れてほしい農家さんです。
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