経営安定につながる施設栽培

基本情報

研修受講 香川県地域おこし協力隊 織田航
研修場所 佃和幸さん
(高松市寺井町)
研修期間 令和8年1月19日~1月23日

1日のタイムスケジュール

研修内容

今回の研修では、高松市内で施設野菜を中心に生産している佃さんのもとで学ばせていただきました。佃さんは周年での葉物野菜に加え、冬から春にかけては小カブ、夏秋にはキュウリを栽培しています。この時期の作業は朝8時半から始まりますが、野菜が霜で凍っていると収穫は後回しです。日が昇って霜が溶けてから収穫しないと、解凍時に傷みが出てしまうとのこと。初日は露地とハウスのホウレンソウの収穫をさせていただきました。なお、露地栽培は天候や病害虫の影響を受けやすいことから、佃さんは今後ハウス栽培の割合を増やしていく方針だそうです。現在は全量を量販店へ契約出荷しており、安定した数量を確保するために一部露地栽培もしているのですが、最近中古ハウスが手に入ったため今後はより安定した出荷と作業効率の向上を見込んでいます。露地栽培のホウレンソウは畑によってはパオパオという不織布を3重にかけてその上からビニールを被せてトンネルを作っており、非常に作業負荷が大きかったです。ただ、こうしたひと手間、ひと工夫を地道に取り組むことが品質、ひいては取引先の信頼を得ることにつながっているのだと感じました。

この時期は繁忙期ではあるものの、新たに増えた中古ハウスの整備も進める必要があり、私も小石や草の搬出、切り株の掘り出しといった作業を手伝わせていただきました。しばらく放置されていたハウスのようで、木の根がハウスの端から端まで伸びており、3人がかりでようやく抜けるほどの太さでした。植物の生命力に圧倒されるとともに、私自身も耕作放棄されたビニールハウスを整備するつもりなので、この経験は非常に勉強になりました。

収穫した野菜は小さな葉や汚れを取り除き、4~6本を束ねて袋詰めしていきます。佃さんの強みの一つは、小売店がダンボールから取り出してそのまま売り場に並べられる状態まで自社で調整している点にあります。通常であれば小売店側で再パッキングやバーコード貼付が必要ですが、その手間を省くことで小売店のコスト削減につながり、その分を手取りに反映できます。佃さんは「取引先の立場に立って売り方を考えることが大切だ」と話していました。食べて菜では収穫の段階からほとんど土や泥をつけないよう、敷物をしいたうえで丁寧に収穫をしており、安心・安全な野菜を届けたいという佃さんの思いを強く感じました。

佃さんから、新規就農者への貴重なアドバイスもいただきました。大きな機械や広い農地に憧れて農業を始める人も多いが、基盤のない段階では施設栽培のように小さな面積で安定生産できる品目を選ぶことがおすすめとのこと。良い農地を最初から広く確保するのは難しく、手を広げすぎると管理が行き届かなくなる恐れもあります。また、佃さんは「主人の足跡は肥料にまさる」ということわざを挙げ、作物を育てるうえで最も重要なのは肥料ではなく、主人自らが手間を惜しまず足を運んで世話することであり、日々の観察と管理こそが成果につながると仰っていました。新規就農者にはまずは1株でもよいので毎日生長を観察して変化に気付いてほしいとのことです。

今回の研修を通じて、施設野菜の生産技術だけでなく、経営の考え方や現場の空気感、そして新規就農者としての心構えまで、多くの学びを得ることができました。佃さんからは今後も遠慮せずいつでも畑を見に来てよと言っていただいたので、またキュウリの時期に見学に行ってみたいと思います。

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