今回の研修では、ナスの収穫から選果・袋詰・出荷、液肥散布、台風対策の結束バンド固定まで、幅広い作業を体験させていただきました。今田さんはちょっとしたことでも丁寧かつ熱心に教えてくださり、パートの皆さんも優しくフレンドリーで、また訪れたくなるほど楽しく充実した時間でした。
今田さんがナス農家になった理由は小面積で高収益が狙えるからとのこと。もともとは銀行員で、30歳前後に農地も機械もない状態で就農されたそうです。ナスの魅力について伺うと、「作り手によって収穫量が大きく異なるのが面白い。同じ面積をしている農家同士でも収入が2~3倍違う。工夫すればするだけナスが結果で返してくれるのが楽しい」と話してくれました。
栽培品目はメインのナス40aのほか、ナバナ、キュウリ、そらまめ、ひまわり、WCS用稲、しょうが、ピーマン、スナップエンドウと多岐にわたります。基本的にはJA出荷で、JA出荷のメリットを聞くと、「規格に合っていれば全量買い取ってくれるし、価格交渉やクレーム対応など面倒な手続きをすべて代行してくれる。それを考えれば手数料は安い」とのこと。集荷場でJA職員の方ともお話する機会がありましたが、農家の経営パートナーとして熱心に取り組まれている姿勢に感銘を受けました。
今田さんは、従業員の方が気持ちよく働ける環境づくりを重視しており、「休みたいときに休んでもらう」「無理はしない」「健康最優先」が基本方針。実はご自身も就農当初は働きすぎて1か月寝込んだ経験があるそうで、体が資本という言葉に説得力がありました。また、パートさんが「今の職場は居心地が良すぎて沼にはまってしまった」と笑っていたのも印象的でした。当初は虫が苦手で屋内作業希望だった方も、気づけば外でナスの収穫をするようになり、カメムシが口に飛び込んできた経験もあるそう。それでも続けられているのは、自然に囲まれて農業をするなかで心身に良い影響があったと実感されているからだそうです。
今田さんは、個人事業主として自分が食べていける分を稼ぐ経営なら伝えられる自信があるとのこと。最初はクワ一本で5畝から始めたというエピソードも、研修生からすると勇気をもらえるのではないでしょうか。最後に、就農を目指す方に向けて「人との縁を大事にすること。何かあったときに手助けしてくれる関係性をたくさん築いていけば怖いものはない。」というアドバイスをいただきました。
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