新規就農者のご紹介

西浦 万理さん 森田 皆子さん

30代を前に心の底からやってみたい仕事に就くことを考えて移住就農

みらいいちご/木田郡三木町

西浦 万理さん 森田 皆子さん

農園概要

栽培品目 苺
出身地西浦:京都府、森田:広島県
前職西浦:営業職、森田:営業職
経営面積ビニールハウス 20a(うち作付面積18a)
基本装備APハウス、養液栽培システム、高設栽培システム
労働力常時2名+パートさん2名(2023年11月12日時点)
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信頼関係を築いた二人が香川県でイチゴ農家に

西浦:大学卒業後、新卒で入社した会社で7年半、医療機関の転職斡旋の営業をしていました。転職という人の人生に深く関わる仕事、また医療機関の人材課題解決という責任の重い仕事に就き、忙しくても成果が数字として表れるシンプルさ、そこから感じる「人のためになっている」という感覚は何にも代えがたく、充実したものになっていました。しかし、2017年27歳の時に体調面の不安が見つかりました。治療を経て今はすっかり元気な毎日ですが、その出来事は、「忙しさは営業として売れている証拠だ」と、時間を気にせず、毎日朝から晩まで働いていた私の心に「このまま働き続けて、自分自身に何が残るのか」 という疑問を投げかけ、「30歳になったら心の底からやってみたい仕事に就く」という目標を立てさせました。

その約2年半後に、今後も一緒に仕事をしていきたいと感じていた会社の同僚・森田さんから「一緒に農業をしてみない?」と誘いを受けました。非農家出身かつ身近に農業従事者がいなかった私にとって、その誘いはまったくピンと来なかったのですが、同時期にテレビで見た山口県のイチゴ農家さんご夫婦の言葉が強く印象に残り、2020年6月に直接話を聞きに行くことにしました。その農家さんとたくさん話をする中で、「自分の人生を豊かにするために、夫婦の目と手が届く範囲で地元の人に喜んでもらえる仕事をしていること」に共感し、私のやってみたい仕事は農業になりました。

2020年10月から2年間、広島県のイチゴ農家で研修を受けた後、2022年9月に香川県木田郡三木町に移住、里親である有限会社エス.エス.ケイ・佐々木さんのもとで栽培品種(さぬき姫)の研修を受けました。そして、同じく有限会社エス.エス.ケイで研修を受けた森田さんと二人で2023年4月に「みらいいちご」の屋号で独立就農しました。育苗、ビニールハウス建設の手伝い、その他様々な段階を経て、2023年11月末に無事初出荷することができました。(作業の様子、観察株の様子など、日々インスタグラムで発信していますので、興味を持たれた方はぜひご覧ください。)

イチゴ栽培に、私たちに、最適な環境

西浦:香川県の三木町はイチゴ栽培がとても盛んで、イチゴ栽培が上手な農家さんが近くに沢山います。また、あいにく今年(2023年)は暑い日が多かったのですが、気候的にイチゴ栽培に適した環境だと思います。生活面でも、夜間は車などの騒音がなく、ストレスが少ないことが良いなと思います。

森田:ハウスを建設するにあたって、香川県(三木町)という災害が少ない土地を選ぶことができたことがとても良かったです。さらに、車で10分圏内に生活に必要なものが全て揃う(スーパー、コンビニ、ドラッグストア、病院、飲食店など)という利便性があり、住みやすい場所だと思います。

感謝や思いやりの気持ちをイチゴという形で身近な方々に伝えたい

当初は品質の高いイチゴを安定的に県指標の収穫量以上生産して、農協出荷を行っていきます。そして、移住者である私たちを受け入れてくれた香川県(三木町)に恩返しができるように、イチゴで更に地域を盛り上げたいです。また、雇用を創出することも地域貢献の1つだと思いますので、農業を通して、年齢・性別・経験・国籍問わず様々な人材との接点を持ちたいと考えています。中長期的には、農園での直接販売や食育への取り組み発信、多様な販売方法の模索なども検討していますが、一番には、感謝や思いやりの気持ちをイチゴという形で身近な方々に伝えられるように、商工会や観光協会と連携しながら地元に根ざした経営を行いたいです。

新規就農者へのメッセージ

就農準備の段階から、多くの人とのご縁と関わりを大切に

西浦:就農したいと思っても、「何から始めたら良いのかわからない」からのスタートでした。私たちは前職から一緒に仕事をしているので仕事上の付き合いは長いですが、女性二人ということもあり、さまざまな地域の、さまざまな立場の方から猛反対され続けました。それでも諦めず、自分たちが「なぜ農業なのか?」「なぜイチゴなのか?」「なぜ二人でなのか?」ということを考え続け、伝え続けて、ようやく2023年4月に就農できました。その背景には多くの人が関わってくれています。就農準備の段階から、多くの人とのご縁と関わりを大切にしていれば、きっと不安や障壁を乗り越えようとした時に味方になってくれるはずです。まずはどんな方向でもどんな歩幅でも良いので、一歩踏み出せば就農に近づくはず!

森田:私たちは農業の道に進みたいと思ってからイチゴ栽培を始めるまで、4年弱の準備期間を要しました。就農資金の準備から移住先の選定、栽培品目・品種の選定、研修先、農地の確保など上げるとキリがありませんが、どれも欠かせない重要な事柄ですので早くから準備されることをお勧めします。そして何より「農業を通して自分たちがどう在りたいのか?」「何を実現したいのか?」を自分の中で(一緒に働く家族、夫婦、または従業員なども含め)共通認識にしておくと大きな壁が立ち塞がっても乗り越えられると思います。

ご相談・お問い合わせ

香川県農地機構内、香川県新規就農・農業経営相談センターの担当がご対応します。
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香川県新規就農・農業経営相談センター
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